act.6

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「……明……」 「ん?」 「好きだよ」 「……どしたの?」 「好き」 「……ゆーと?」  喘ぐみたいに呟いてから、泣きそうになって焦った。  この距離でさえもどかしいのに。  もうすぐ、顔も見られないほどに、遠く離れることになるんだ。 「好きだよ」 「…………ゆうと……」 「……好き」 「…………」  戸惑ったような表情の君から目を逸らして、好きを繰り返していれば 「……」  小さく小さく。  風に乗って聞き慣れたメロディーが届いてくる。 「あきら……?」  ゆっくり顔を上げた呼んだ名前に、君が優しく微笑ってくれた。  二人で作り上げた曲を、穏やかで優しい、子守歌みたいなアレンジにして歌う君を。  やっぱり、心の底から。  何よりも、誰よりも好きだと──愛しいと思った。
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