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僕らはきっと、この日を忘れないだろうと思った。
この先に、また、何が起ころうとも。
きっと、このキスの味を覚えていれば、何だって出来ると思った。
いつも何か足りなかった毎日は、今日で終わり。
隣を見ると、アイツが笑い返してくれる。
だから、オレも笑い返せる。
作った笑いじゃない、心からの、笑顔。
あぁ、どうしてだろう。こんなにも満たされてく。
離れて解る、だなんて嘘。
離れて、また出逢うからこそ、気付くんだ。
こんなにも安らぐこと。
こんなにも幸せなこと。
こんなにも優しいこと。
──これほどまでに愛しいこと。
守りたくて、ずっと感じていたくて、手放したりしないと心の中で密かに誓う。
アイツもきっと、同じようなこと思ってるだろうなと思うだけで嬉しくなる。
だから、呼ぶんだ。
3年間、呼ぶことの出来なかった名前を。
そうした後で、静かに微笑い合うんだ。
「大好きだよ」
幼い頃から何度も繰り返したのと同じ言葉を、あの頃よりも想いを込めて。
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