act.2

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 ***** 「ゆーとー」 「……何?」  ばぃん、と遠慮無くドアを開けて入ってきた明の姿を認めて苦笑。 「遊び行こ」 「は?」 「海!!」 「……はいはい」  唐突な誘いはいつものこと。  そんな風に割り切って苦笑しながら頷けば、にっこりと嬉しげに楽しげに笑った明が、早く早く、と急かす。 「楽しそうだね?」 「楽しいよ? だって……っ」 「? だって?」 「あー…………何でもない」  ふぃっ、と明らかに何かを隠す様子の明を、意地悪くつつく。 「何だよ言えよー。隠し通せると思ってんの?」 「ぅー……」 「……言わないんだ?」  にっこり笑ってから、幼いときと同じように、こちょこちょとくすぐってやる。 「ふはっ……ちょっ……ヤメッ」 「言う?」 「…………ヤダ」 「じゃ、ヤメない」 「ちょっ……ゅぅとっ……ふふっ、……はっ、も……ちょっと!」 「言う?」 「…………」 「言わないんだ?」 「言う言う!!」  だからもうヤメて。と笑い泣きしながら言うのに、尊大に笑ってみせたのに。 「で? 何隠そうとしたの?」 「……ゆーとが……」 「オレが?」 「ちゃんと笑ったから」 「…………ぇ?」  予想もしていなかったその言葉に目を見張った。 「……最近……無理して笑ってるみたいに見えたから……。……でも、さっきは、ちゃんと笑ってた」 「明……」 「……だから、楽しいなって言うか……嬉しいなって言うか……」  もー、照れるから終わり。  そんな風に笑って話を終えるのに、今度こそ嬉しい笑みを浮かべてから、ありがと、と笑った。
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