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…あの話は、俺を一瞬で虜にさせた。幼児には少し刺激的過ぎる絵本だったが、俺は一瞬で好きになった。
その絵本がじゃない。
その怪獣がだ。
物語の主人公の、健太って奴にも同意出来た。
題名も、お袋が何故その絵本を読んでくれたのかも覚えていない。
でもただ、
俺は怪獣に憧れていた。
大きな足で、町を破壊する、怪獣に憧れていたんだ。
ずっと、ずっと願ってた。
いつか空が灰色の雲に覆われて、この町を―――俺のこの部屋を、俺を。
壊しに来てくれることを。
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