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「そうか、まだ生きてたんだなぁあいつ。しぶとさは随一ってわけだ。あいつらしいな」
苦笑いするハスターにグラーネが数年ぶりに話をした時のことを話した。
「ルークは戻る気が無さそうでしたわ。どうも私達のやることに反発しているみたいですのよ」
「あいつは一度決めたらなかなか意志を曲げないからな。戻ってくるとは思ってないよ」
「もし、直接ルークに会うようなことがあればどうします?」
「敵対するなら俺が手を下す。俺達の目的を邪魔するやつは友と言えども退ける。俺はそう覚悟を決めたんだ」
ハスターとグラーネの間を強い風が走り抜けた。まるでハスターの気持ちのように荒々しい風だった。
「ところでそのドレスの傷み、まさかルークとやり合ってそうなったのかい?」
話は変わってハスターはグラーネと戦った相手が誰なのか聞かずにはいられなかった。
彼女は優秀な魔導士でしかも闇の力を扱える。ルークは何かと油断ならない相手だ。とはいえ彼は魔法も使えず戦闘技術に特化しているわけではない。グラーネがここに戻って来ざるおえないほど力のある相手だとは、ハスターには思えなかった。
「実は以前ハスター様がお話になられていた者と対面しましたの。ほら、黒尽くめで心臓を貫いても死ななかったという例の男です」
グラーネの話を聞いたハスターは目を見開いた。
そして盗賊に乗っ取られた町の屋敷であったことを思い出した。
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