【三章】さまよう巨影

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後ろで人が倒れる音がしてグレイスはすぐに振り返った。  魔王が道に倒れていた。慌てて彼の体をグレイスが抱き起こした。 「マオ、大丈夫か?」  グレイスは魔王の顔に着いた土を払いながら顔を覗き込んだ。 眠っているらしい。また力を使った反動で寝てしまったようだ。 「はい、どうやら力を使って疲れてしまったようですね」 「うーん、またか。大変だな、闇の力ってのは」  ルークは困ったように頭を掻いた。恐らくまた数日は目を覚まさないのだろう。  グレイスが魔王を背中に担いだ。町に着くのに時間がかからなければよいが。  綺麗に澄み渡る青空を仰ぎ、ルークは遠い向こうの地平線を見つめた。
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