出会い

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お陰で脳内完全にテンパっていたら、先を歩いていた筈の金田先輩が、突然私と雄一先輩を引き離した。 「黙って聞いていれば… 後から来て何をほざく貴様」 「あ?んなの関係なくね? 後からだろうが先だろうが、惚れたもんは惚れたんだよ、悪いか」 「ああ、悪いな。久保が貴様の手中に堕ちるのは俺は認めん。 コイツは俺が先に目を付けた」 ちょっと唖然として二人のやり取りを見ていたら 不意に唇に柔らかい感触がして… 目の前に金田先輩の綺麗な顔があった。 ちゅ… チュウされましたよぉぉぉぉぉっ!!!!?なうっ!! 「なっ…テメ…っ」 「久保に一目惚れしたのは貴様だけではない。俺の前で勝手な真似はするな」 ……な…んだ…? きゅ…急に…空気がヤバい感じになりおった… 金田先輩と雄一先輩が睨み合う目の前の光景は 私が妄想していたカップリングとは、到底かけ離れていた。 これは…どういう事だ?メタボ… 解説を詳しく 『よし分かった。 だが断る』 ちょっwwwww 断るなよwwこの状況でwwww 思わず草生やしちゃったじゃまいかwwwwww 『まだ学校に到着したばかりだという事を忘れるなカス。 下校する時に教える。 取り敢えず1日大人しく学校で過ごしてみるんだ』 既に大人しさ皆無だよ! つか、そーじゃんww学校到着したばっかな事忘れてたよwwww こんなふざけた此方の会話とは相反して、先輩2人は未だに睨み合っている。 と、そこで予鈴が鳴り、先輩達の意識が一瞬其方に逸れた。 「チッ…授業始まっちまった…」 「貴様のせいで職員室にすら辿り着けなかったではないか」 「はぁ?…こっちが黙ってりゃあ…いい加減調子こいてんじゃねぇぞテメー」 「おい、何をしている? 予鈴が鳴ったぞ、早く教室に行きなさい」 突然また違った男性の声がして 見ると、明らかに教師っぽい中年男性がすぐ傍に立っていた。 た… 助かったー! これは正に地獄に仏! 先生に注意され、先輩達はなんだか名残惜しそうに元来た方向へ戻って行く。 しかも、なんて運がいいのか、この中年教師は私の担任だった。 あ…でも… この人が担任か… これは申し訳ないけど、普通だな… どーせなら、若いイケメンが良かったのに…
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