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驚いた顔から徐々に表情をしかめた丸山が、少し不安そうに私に話を振る。
「その状況…
何もされなかった?」
「会長達に?」
「いや…それを見てた周りから…」
「周り…」
おやぁ…?
これはもしや…
「ひょっとして…
会長や風紀委員長って、ファンクラブっつか…親衛隊とか居たりしちゃう?」
「あ、ああ…そうなんだけど…」
「マジかっ!!!!!」
キターッ!!!
王道!!
キタァァァーーーッ!!!!!!!!
って…
待て?
そうなると…
その二人からチュウされたり派手に告られたりした私って…
あれっ!?
YABAKUNEっ!!!??
「ま~…
久保は大丈夫かもな…」
一人で今更の様に焦っていたら、千葉が苦笑気味にそう言った。
「は?俺は大丈夫…?」
「すげー美人だから。
会長達の取り巻きも下手な事しなさそうな気するし、寧ろ久保自体にファンクラブとか出来ちまいそう」
「あ、そしたら俺会員番号1な!つか俺が会長になってやる」
黒木までニコニコしながら千葉の話に乗る。
私にファンクラブは…
流石に有り得ない、つか、要らん。
あくまで私は“ホモを増殖させる”ミッションでここに居るんだ。
そんな私にファンクラブなんか出来てしまったら元も子もない。
まぁ…
「取り敢えず…万が一マジで親衛隊敵に回してても…」
「生徒会書記で次期生徒会長と言われが高い俺が、久保の事は護ってやるから問題無い」
私の言葉を遮って、突然放たれた丸山の台詞に
思わずギョッとしてしまった。
何を言い出すんだい…?君は?
Youはknightかい?
つーか、この時間、もしかして昼休みでは…?
気付けば教室に殆ど人が残ってないのを見て、今更の様に気付いた。
時間的にも…
「腹減った…」
ついポロッと私がそう言うと
「あぁっそーだよな!ごめん!
学食案内するよ!」
と、丸山が慌ててそう返した。
そこで漸く私達4人は食堂へ
行こうとしたら…
『待て!コラ!僕を置いて行くな!』
と、案の定喚き散らしたメタボライオン。
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