出会い

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仕方がないのでリュックから取り出してライオンを手に持ち、改めて食堂に向かう。 当然「なんでそんな物持ってる?」のか聞かれたから、雄一先輩に話した通りの作り話を同級生達にもしておいた。 完全に痛い子だな…私… しかしこれは仕方ない。 まぁそれはさて置き。 私立の名門校の食堂… 一体どんな感じなのかと思ったら… ビュッフェですよっ マジビックリ! 広い食堂の手前の方に料理は並んでいて、既に大勢の生徒が居た。 勿論男子のみ。 男しか居ないって、すげー壮観! 何ここ、どんだけ楽園? これが後にホモだらけになるわけですね! つか、何気に既にホモ沢山居ない? 親衛隊とか居ちゃうって事はさぁ… 『元々そうだった奴も当然居なくはない。 君のミッションは、更にホモを増やす事… つまり、ノンケの男を、男に目覚めさせる。というのが使命なんだ』 …まぁ…そうでしょうね。 勿論、人類衰退させない程度にな。 にしても… 生徒が沢山集まる学食ってさぁ、王道学園物の小説や漫画なら、何かしらイベントが発生する場所だと思うんだ? 特に私は突然会長と風紀委員長に告白された転校生ですよ? なのに… 何故だ… 普通に、一緒に居た同級生3人と飯食って終わった……だと…? や、イベント発生しないかな~ って、結構辺りに気を付けてたら、周りの生徒とは相当目は合ったけどさぁ? 多分、私の事、珍しいには珍しいんだと思うんだ。 しかし、イベントにまでは至らんのか… つか、既に告白してきた先輩達が来てくれても良かったよね? 自分ターゲットにされてどうこうしたい、って訳じゃ勿論ないけど、 ミッション遂行の為に、あの先輩達とはもうちょっと仲良くなっておくべきだと思うんだ。 なのに連絡先とか聞きそびれてるしさぁ… 『その通りだ。分かってるじゃないかカス』 学食から教室に戻る廊下の途中で、私の考え事に手元のメタボが返事をした。 つか…お前は私の事をカスとしか呼べないのか…? 『偶に腐女子って呼んでるじゃないか』 や、圧倒的にカスが多いよ。辛うじて『君』だよ。しかも『腐女子』も貶されてる様にしか聞こえん。 『まったく…五月蝿い奴だ…』 おま… 「久保?話聞いてるか?」
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