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「僕と契約して、男子校生にならないか?
この世界に“ホモ”という名の萌を増殖させるミッションを遂行させてほしい」
巷には桜が咲き誇り、春の空気を感じられる様になってきた、ある日の午後の事。
昔から持っていたお気に入りのぬいぐるみが、まるで某魔法少女を彷彿とさせるそんな台詞を、ぬいぐるみらしくベッド脇に飾られた状態のまま言い放った。
私は社会人も5年目に突入した、アルバイトで働く至って普通の成人女子。
彼氏とは数週間前に別れたばかりだ。
自分がただ一つ“普通”とは言い難い所が有るとすれば
“イケメンガチホモ”が大好きで、腐った脳内万年ワッショイな、腐女子であるという事くらいだろう。
そんな私が、突然喋り出したぬいぐるみの台詞に返事をするとしたら…
「おkwww任せろww
俺がこの世をホモで溢れ返らせてやるwwww」
当然そう言うに決まってるだろ?
勿論実際言ってやったさ。
そもそも、ぬいぐるみが突然話し出した事が胡散臭い。
ビックリはしたけどね。
冒頭の台詞も、正直本気にしてる訳じゃない。
友人の誰かが知らん間に、小型スピーカーを着けるといった悪戯をしたのだと思った。
だから、その“明らかに冗談な悪戯”に、ちょっと乗ってやっただけなんだ。
なのに
私の返事を聞いたぬいぐるみは突如として浮き上がり
不敵な笑みを見せたかと思うと
目を開けていられない程の眩しい光が、部屋全体を包み込んだ。
その光は1分も経たずに消え失せ
しかし、ぬいぐるみは私の目の前で未だに宙を浮いていた。
『いいかい?ミッション遂行期間は2年だ。
君は今この瞬間から、私立の男子校に転校した高校2年生の男子だ。
卒業までの2年間で、君は“ホモをこの世に増殖させる”というミッションを行わなければならない。
勿論、君自身も“ホモ”になってくれて全然構わないよ。
君は男が好きだろう?だとしたら、君がこれからの2年間で恋をすれば当然“ホモ”って事になるわけだ。
そして2年が経った後、性別を女に戻すか、男のままで居るかは君次第だ』
ぬいぐるみが私に向かってそう話すのを、思わず唖然として眺めてしまった。
何が起こったのか全く理解出来ない。
これは一体…?
「兄貴ー、おかんが夕飯の支度手伝えって~」
突然部屋の扉が開き、
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