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当然後を付けて俺も。
つか、みんな付いて来たけど。
舗装されていない獣道を暫く走った先の、ちょっとした崖下で、山内さんは崖を背に一人佇んでいた。
「山内さん!」
保坂さんが呼び掛けながら、直ぐに山内さんの傍に駆け寄る。
俺達は手前で足を止めたけど、山内さんが保坂さんを見て苦笑いしたのが見えた。
「こんな場所まで…わざわざ…」
「山内さん!さっきの話は…」
「…不思議と…此処に来たくなりました…
4年前に…別荘から大して遠くもない慣れた場所で、足を滑らせて崖から転落した俺を、助けてくれたあなたの事が…ずっと、好きでした。
しかし…俺は男で、保坂さんも男性なのですから…
こんな想いを抱えたまま、俺は両親に顔向けする事が出来ない。
…ですから…俺は今日限りであなたの事を忘れます。
保坂さんも、俺なんかよりもっといい方を…」
「山内さんっ!何を言ってるんですかっ!あなたは!!」
保坂さんが叫ぶと同時に、山内さんはガタイのいい保坂さんにすっぽりと抱き締められた。
「そういう大事な事を…なんでもっと早く言わないんです!?
辛い思いをされていたのに…俺じゃ頼りになりませんか…?」
「…そう…いう訳では…」
「ご両親に認めていただける様に、俺にも…あなたと一緒に努力をする時間を下さい。
…諦めるのは…どーしても駄目だった時に一緒に話し合いましょう。
俺は…どんなに拒まれて逃げられても、誰よりも山内さんが好きです!」
「…保坂さん…」
保坂さんの必死の告白は、山内さんが彼を抱き締め返すという形で締めくくられ
当然俺は一人で内心悶えまくったさっ!
メタボよっ!なんだこのGJな展開は!?
余りに展開が急過ぎてビビったよっ!!
『予定通りwwww』
おまっwww
『元々好き同士だったんだから、キッカケさえ出来ちゃえばこっちのもんだよねw』
まぁお前GJだよ、ホントwwww
なんだこの俺の咬ませ犬具合wwwww
『カスがもっといい働きしてくれれば、僕はもっと楽だったのにね~
しかし、今後もこの手のミッションは多々発生するって、覚えておけよ、カス』
相変わらず口の減らない生意気な奴では有るけど
正統派なこんな働きもするのかと…
少しだけ、メタボを見直した。
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