“僕は友達が欲しい”

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GWの短い休みが終わってから直ぐ、 学校では全校で小テスト期間が2日程有った。 当然俺は、軽井沢旅行の3日目以外一切勉強をしてないけど、テストの順位が張り出されてみれば学年で2位という好成績。 2年の1位が丸山だったのは、生徒会役員という肩書き柄、何となく予想は付いてたけど… 意外に、チャラそうな黒木が3位に着けるという秀才ブリを発揮していた。 これはかなり予想外。 「黒木実は勉強出来る奴だったんだなー」 「つーか、今回は結構頑張ったし。元々上位10位内にはいつも入れてたけどさ」 「あ、マジで?にしてもすげーじゃん!」 「って…2位の奴から言われっとすげー嫌味っぽ!」 「ははは…」 「ま、あれだ。久保っち好きーな面子で、俺だけ一般ピープルだからさ~…ちょっとはアピールポイント欲しいしなぁ。相変わらず丸山んに負けてっけど」 放課後、生徒玄関前に張り出されていた順位表を見てから、 もうすっかりお馴染みになった黒木と下校がてらそんな話をする。 つか、今更だけど黒木んちやっぱ普通の家庭なんだな… 一人だけずっと謎だったけど。 因みに順位表は上位15位まで張り出されており、残念ながら千葉の名前は無かったんだけど、 3年生の順位には、佐竹、金田、菊入の順で見知った名前が1位から順番に並んでいた。 つまり、スポーツマンな千葉以外はみんな秀才な訳だ。 俺の不正具合は本来なら土下座レベルです。ハイ。 そう言えば黒木と一緒の下校、 初登校から約1ヵ月経って、俺としては随分慣れた。 生徒会の仕事が無い時には、丸山も一緒の事が有るけど、基本的には黒木と俺の2人で帰る事が殆ど。 そして実は結構、真っ直ぐ寮に帰らない。 ほぼ毎回寮手前でコンビニに寄るのは勿論、 偶に寮とは逆方向の駅前行ってファーストフード食ってきたり、ゲーセン寄ったりして結構遊んでる。 黒木はあからさまに俺にベッタリしてくる奴じゃないので、その行程だけ見れば“普通に友達と遊んでる男子校生”だ。 これで黒木が俺に恋愛感情さえ無けりゃ、すげーいい友達関係だと思うんだけどなぁ… 相変わらず、俺はいつもの6人以外と学校で絡めないし… それは取り敢えずいいとして、 今日も今日とて、駅前に寄り道である。
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