“僕は友達が欲しい”

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5月下旬の日曜日の昼に 俺は学校の最寄り駅のカフェに菊音ちゃんと二人で居た。 以前の約束通り休日で遊びに来た訳だけど、勿論メタボ同伴で。 今のところ、俺のちゃんとした友達って、菊音ちゃんしか居ないと思う。 なんて寂しい男子校生… 今回遊びに来て知ったけど、以前東応に遊びに行った際に会った琉生くんと、菊音ちゃんは小学生の時から付き合っているらしい。 って、長ぇな!それすげーじゃん! なんて、二人の馴れ初めな恋バナ聞きながら、カフェでは腐った話題にも華を咲かせる。 そんな中で 「そー言えばこないだ成賢行った時に、海瑠くんが「久保と歩いてると殺気混ざった視線を周りから感じて怖かった…」って、帰る時に言っててねー」 ていう話を、菊音ちゃんがし始めた。 「え…マジで?」 「マジでマジで。 殺気云々は私は分かんなかったけど、確かに視線は超感じたよね~ 海瑠くんが後で佐竹さんに確認したら、まこっちゃんファンクラブが有って、今全校生徒の8割くらいが属してるからって」 「ブッ」 「言ってたって言ってたけど…オイ大丈夫かい?吹いちゃったww」 「吹くわwwなんだそれっ8割…!」 マジでっ!? いつの間に8割にっ!? 今飲み物口にしてたら間違い無く正面の菊音ちゃんに向かって水鉄砲発射してたよっwwwww なんだ8割ってwwwwww 「8割…」 「凄いよねー!どんだけ人気者なのさっまこっちゃん! うちの会長様やそっちの会長様ですら、全校生徒の8割が属するファンクラブなんか無いよ! しかもまこっちゃん秀才転校生でイケメンだしっ!!可愛いぬいぐるみまで持ち歩いちゃって!腐男子でっ!! マジ王道!!王道要素詰め込み過ぎて溢れ出るわっ どんだけ美味しいのっ!!! 羨まし過ぎるよっ!!!」 「や…」 『羨ましいなら… 君も僕と契約して、男…』 椅子の背もたれに引っ掛けたリュックから、突如メタボのそんな台詞が聞こえた瞬間に 素早く片手を後ろに伸ばしてメタボを握り潰す。 お前は…っ 「ん?…あれ?今どっかから、マドマギのQべーみたいな台詞が…」 「きききき気のせいっ!! ってか、そんな台詞聞こえた?あれか?「僕と契約して~」みたいな?」 「そー、それ」 「気のせいだよ!」
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