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あぁ、そーだ。
自分の自己紹介を忘れていた。
私は「久保真(クボ マコト)」という。
本来なら、書店で契約社員と言う名のアルバイトをしていた、27歳の腐女子。
見た目だけなら腐女子には到底見えないと言われる、綺麗目なお姉系…
でしたよ…
一週間前まではね。
それが今や自分で鏡見ても「うはっww」ってなるイケメンだよ。
自分で言うのもなんだけどさぁ~…
しかも16歳ときたもんだ…!
なんだよコレ…妄想だけなら美味しいよ!
なのに、なんで妄想だけで終わらせてくれないのか…
真新しい制服に身を包んで、この姿になって初めて外に出てみれば…
私の実家が今在る場所は、元々私が一人暮らしをしていたアパートが在った場所。
周りの景色は、私が知ってるモノと全く変わらなかった。
そうだ…
一週間引きこもってる間にエルたんから聞いたっけ…
新たに構築された世界は
私が元居た世界と同じ年代。
そして、変わったのは私を取り巻く環境の記憶と、私と私の家族の年だけ。
だから今元の職場に行けば、見知った同僚達がその場に居るのだ。
学校よりも、そっちに行きたい…
棚整理しなきゃ…品出ししたり、発注したり、コーナー入れ替えたり…
腐った同士達と妄想語って、飲みに行ったり…
『過去に思いを馳せたところで、これからの2年間はどうにもならない』
…おい…?
もしかしてお前…心も読めるのか…?
『勿論。僕に出来ない事は無い』
じゃあ直ぐに私を元に戻せ!
『それは無理』
おまww出来ない事有るじゃんかよぉぉぉっ
『五月蝿い腐女子』
なんなんだお前マジで…
…つーかさぁ…
2年後私が元に戻ったら、こんな姿に変わっちゃった日にちゃんと戻れるんだよね…?
『え、何言ってるんだ?
戻れる訳ないでしょ。
例え2年後に君が女性に戻ったとしても、その時の君は三十路になる年の29歳だよ』
……なっ…
「なんだそれっ!?
今年中に元彼より素敵彼氏つくって来年には結婚する予定だった、私の人生設計どうしてくれるっ!!!??」
ビックリして、思わず全力で叫んでしまった。
歩道のド真ん中で。
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