“僕は友達が欲しい”

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「おまっ…おまっ!!何すんだテメーッ!!!!!」 「え、だって、お互い自家発電寂しくね?」 「寂しいからって!!誰でもいいって訳じゃねぇっ!!!!!」 「そりゃそーっしょ? 俺久保っちマジ大好きだし」 あーっ!!もー!!! そうだったっ!!!!! そーなんだよっ!!! いくら仲良くしてくれてても、コイツ友達じゃねぇんだよっ!!!!! ノコノコ部屋に入っちまった俺が悪い! 「でも!規約に“無理強いしない”が有るだろうがっ」 「だけど抜け駆けOK。 って、結構紙一重じゃね?」 「ぅっ…」 「俺、かなり本気で久保っち好きだよ。…俺じゃ駄目?久保っち、俺の事嫌い?」 「きっ…」 嫌いな訳ねぇじゃん いきなり襲い掛けたクセに、そんなマジな顔して告白すんの反則だろー…っ さっきからドキドキし過ぎて心臓崩壊しそうで気持ち悪… 「す…好きだけど!」 「えっ」 「但し!友達の範囲内でっ!!!それ以上にはまだ見れない!!!!!」 「…まだ、って事は…可能性が有るって事だ?」 しっ… しまったぁーっ!!!!! 何言ってんだっ!!?俺っ!!!!!! やけに嬉しそうな顔を見せた黒木の台詞に、色んな意味でドキッとして 慌てて立ち上がり 逃げる様に玄関まで走って 「ねぇよっバーカッ!!!」 と玄関先で捨て台詞を吐いてやっぱり逃げた俺は 本当にガキだと思う。 うっかり元気になりかけてた息子も、その間に元のサイズに行儀良く収まってくれたけど… 27、8年生きてて… どんだけガキなんですかー…俺… しかも、貸した漫画持ってくんの忘れてるし。 広い寮内で気持ちを落ち着かせてから自室に戻ったら、メタボがキッチン手前の通路で仰向けに転がっていた。 何故? 『遅かったね、カス。 こんなに長い時間僕を放置してくなんていい度胸デスネッ ついに黒木と宜しくやってきたゃったわけー?後ろ処女捨てた?』 「…捨ててねーし… でも色々散々だ…」 なんかなぁ… 今までの1ヵ月半、黒木とは一番一緒に居た割に、一番“友達”状態が強かったから、襲われ掛けたのが思いの外ショックだ。 フェロモンの力を思い知らされる。 同じチャラ男なら、黒木も、千里みたいな奴なら良かったのに… そしたら純粋に友達になれてたの間違い無いのになぁ…
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