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傍を行き交う人達が、驚いた顔をして私を見る。
……うっ…
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ何叫んでんだっ!?何叫んでんだ私っ!!!!!
『見た目男子高校生が痛過ぎる…』
うるせーよっ!お前のせいだド畜生っ!!!
もーっ
本当に最悪…
最悪過ぎてマジで泣きたい…
なんなのコレ…
誰か夢だって言ってよ…!
そう心の中で叫びながらも…
結局辿り着いてしまった、これから私が通う事になる男子校。
今は休み時間なのだろうか?
廊下に生徒が居るのが、外から窓を通して確認出来る。
あ…って言うか…
私今日初日なんだけど、どこから校舎内に入ったらいいんだろう?
間違い無く職員室には真っ先に顔出さなきゃだと思うけど…
つーか、生徒玄関もどこに在るか分かんないわ。
何この学校デカい。
普通校門入ったら一番目につく場所に玄関在るもんだろ?
敷地内に入る時点で、校門にガードマン常駐してた辺り、ちょっと普通じゃない。
流石名門私立…
『早く玄関見付けろよカス』
…うっせーな…お前マジで殺すぞっ
『あ、間違っても、一人称“私”とか言ったり、女っぽい喋り方しない様に気を付けてね』
分かってるし…そんくらい…
メタボライオン曰わく177cm有る私の身長に、この外見で女言葉使ったら、他から見れば気持ち悪い事くらい理解出来るわ。
つか、転校早々オネエだと周りに思われたら悲惨。
ミッションどころの話でもなくなる。
取り敢えず気を取り直して、何となく道に沿って歩いてみたところ
漸く生徒玄関らしき場所を発見した。
“らしき場所”つか、見たまんま生徒玄関だな…
しかし自分の下駄箱がどこなのかは当然分からない。
当然の様に制服と一緒に用意されていた上履きは持参してるから、上履き入れてた袋に取り敢えず突っ込んで、靴は一先ず持って上がれば問題ないだろう。
その行程を実際に行っていた、丁度その時
突然正面から誰かが私に声を掛けてきた。
「おい、遅刻か?二年にもなってなんてふざけた真似をしている」
声のした方を見ると、
ショートの黒髪にキチッと制服を着た、怪訝そうな顔をしたイケメンが腕を組んで突っ立ち、私を見ていた。
やべぇ…
風紀委員っぽい香りがぷんぷんする…www
や、絶対風紀委員だろ?
漫画みたいに腕章は付いてないけど。
それはさて置き…
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