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本日生憎の雨模様な昼時。
学校の食堂にて、いつもの6人と昼食タイム。
以前千里が言った通り、凄く混雑している食堂では、確かに俺達の周りだけ妙に空いてるのも最早デフォ。
空いてりゃ楽だし、大して気にしてなかったけど…
他人に言われると気になってくるのが人間ってもんっしょ?
俺はどんだけ周りから崇拝されて距離を置かれてるかって…
絶対この状況異常だって!
なんて俺は思っても、いつもの6人は全く気にしていない様子。
この日の昼食の席では、既に一週間を切った体育祭の話に華が咲いていた。
この学校は毎年、6月27日の創立記念日に体育祭をやってるらしい。
敢えて梅雨時に何故?
と思うかもしれないが、意外と雨に遭遇する事が少ないらしく、万が一雨が降れば、天気がいい日に延期すればいいだけの話。
って言う、案外軽い感じでの梅雨時の体育祭みたいだ。
創立記念で学校休みにならずに体育祭、ってのは男子校っぽいな、って感じはするけど。
「そー言やぁ、まこちゃん何の競技に出んの?」
会話の中で、雄一先輩が俺にそう問い掛けてきた。
「あ、借り物競争とリレーと騎馬戦っスよ」
「騎馬戦っ!?」
「正気か!?」
「え、何で!?」
「なんでって…」
先輩方…揃いも揃ってそんなに驚かなくても…
「普通に、立候補して」
「オイ!お前等!同級生が3人も居て何で止めねぇっ」
「勿論止めたんですよ?」
「俺達って言うか、クラス中で止めたよな」
「そう。絶対駄目だっつったんスけどねー…久保っちが「やりてぇ!」の一点張りで…」
「だってやりてぇんだもん」
つーか、騎馬戦無かったら俺が出られんのリレーと借り物だけだったし?
騎馬戦も勿論止められたけど、
綱引き、竹取、棒倒しその他諸々…
借り物とリレー以外は全てに於いてクラス中から却下された。
理由は
「危険だから」
色んな意味で。
怪我とか危険だし、他人と無駄に接触すると相手が昇天しそうで危険だし、どさくさ紛れに変な事されたら危険だし。
その話し合いの場は、いつも俺には一切声を掛けてこない同級生達と初めて会話を交わせた場でもあった。
ま、アイツ等それでも俺の顔見て話さねぇけどな。
千里から又聞きした話だけど…
俺と目を合わせて会話すると孕むという、都市伝説的な話まで有るらしい。
お前等男だろぉぉぉぉぉ?
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