不幸の手紙

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「ここテストでるぞー、えーここXを代入して…」 隣の席の人間は今日は欠席らしい…いや、ただのサボりか。 「ハァ、また神田の奴屋上行ってやがるよ、こうも毎回授業サボってたらいくら神田の成績でも留年しちまうぞ…」 そう、マオは中学の時から成績だけは良すぎるぐらいだった。私もそれなりに勉強はやっていたが、マオにはどうしてもかなわなかった。 マオは努力しないで何でも出来たが私は違った… それが悔しくてしょうがなかった。 高校に入学してからと言うもの私はマオと距離を取るようになった、最近はマオとあまり話をしていない。 マオも私が距離を取っていることに気が付いてるのか、この頃は授業を抜け出して、あぁやって空に向かって手を伸ばして空から何か降ってくるのを待っているようだった。 そう、私はアイツがいない席を挟んで窓から見える屋上で空を見上げているマオを観察するのが日課になっていた。 「ハァ、たくアイツしょうがない奴だなぁ…、笹川アイツを呼んで来てくれんか?学級委員からビシッと言ってやってくれば、少しは構成されるかもしれん。私が言っても聞く耳すら持たんからなぁまったく」 「いいですよ、行ってきます」 「いやぁ、ありがたい。流石学級委員だな」 こうして私は数ヶ月ぶりにマオと話すことになった。 「空から美少女が降ってきたら面白いだろうなぁ」 ドアを開けたらマオはたっていた。 (コイツ、昔とまったく変わってないな) 「なぁに、授業抜け出してアホなこと言ってんのよマオ!!」 マオはクルッと顔だけをコッチに向けてニコッと微笑む。 昔のように無邪気な笑顔をこちらに向けてくる。 「ヨォ、久しぶりに授業抜けたんじゃないか?」 (コイツ絶対私をからかう気だ) 「何バカなこと言ってんのよ、アンタを呼んでくるように先生に頼まれただけよ……まぁ、もう少しだけここにいてもいいかな」 私はもうすぐ鳴るであろうチャイムをここで聞くことにした。 校庭に鳴り響くチャイムを屋上で聞くのはなんとも心が安らぐものを感じた。 「次はちゃんと授業出なさいよ、アンタ成績だけはいいんだから、出席日数足りなくて留年したくかったらだけど」 コレ以上の説得は無意味だと判断した私はその場を立ち去ろうとした。 「ご忠告どうも伊織ちゃん」 「ちゃん付けは止めろぉ!!」 バンッ!! (クッソ!!マオの奴!!また私をからかいやがって!)
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