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マオはまだ私が昔のように接してくれると思っているのだろうか?
それとも、あれはマオなりの気使いなのだろうか?
だが、マオがどう変わろうと今の私にとって関係のない話だ。
私は教室に向かう廊下の途中、数学の稲田先生にあった。
「おぉ伊織、神田の奴を説得出来たのか?」
「あっ、えー…っとですねぇ、一応次の授業には顔を出すそうですよ」
「それはよかったぁ!さすが学級委員だな!」
(学級委員がどれだけの力持ってるんだよ…)
私は心の中で先生にツッコんだ。
「おっとそうだった、確かお前に渡しといて欲しいと頼まれていたんだった……ん~、アレ?ここに入れといたんだが…おっあったあった」
先生はお気に入りの真っ黒のポーチから取り出したのは、しわくちゃになった手紙だった。
「何ですかコレ?誰からですか?」
「いやぁ、コレは一週間前ぐらいに生徒指導の上杉先生が伊織に頼まれたものが出来たからと、言ってたかなぁ…」
そう言えば、上杉先生に今度の予算案の集計頼んだんだっけ…
上杉智子、生徒指導部の顧問で国語の教師。
性格は明るくておっとりしているがキレたらかなりおっかなく、学校の裏番長とも呼ばれているらしい…。
上杉先生の逆鱗に触れなかったら、良い先生なのだが。
「一週間前って、かなり前ですね。ありがとうございます」
「いやぁ、すまんな。悪い悪い」
植田先生は顔の前で両手を合わして、ペコペコと頭を下げて私の前から立ち去った。
先生が立ち去った後、私は手紙の封を開けた。
手紙の中からは各クラブの予算割り振りの表など、上杉先生に頼んだものが入っていた。
(オカルト研究同好会なんてまともに活動すらしてないじゃない…家庭科部なんて食中毒事件とかあって廃部したんじゃ…)
今思えばうちの学校無駄な部活が多いよなぁ。
戦国武将部、アニメ部、ダイエット研究部…etc.コレらは廃部決定だな。
何で私がここまでしなくちゃいけないのか分からないわ。
生徒会にでもたのべは良いのに…
「はぁ…憂鬱だわ」
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