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ぱぁぁっという擬音が似合うくらいに晴れ晴れとした笑みを見せる姫川さんに俺は絶句した。
まるで負けた時にことを考えない無邪気な笑顔。
そうか、これが馬鹿ってやつか。
もはや同級生として区別していいものか?と思いたくなるくらいだ。
新しいおもちゃを見て感激している子供みたいじゃないか。
ため息をついてカードを配った。
「なぁなぁ深夜!願い事を無限と聞くという願い事をしてもいいのか?」
「駄目に決まっているでしょう」
真剣な顔で何を言い出すかと思えばあまりにのくだらないことだった。
こんなまるで青春という文字を擬人化したような、青春そのもののような馬鹿みたいな男に負けたくないと思った。
「姫川さんが先行でいいですか?」
「まじで、別にいいけど。まぁお互い気楽にやろうよ」
にんまりと俺に微笑む彼に対して俺はまったく笑わずただ自分の手札だけに集中すとことにする。
慣れ合うのはあまり得意な方じゃないんだよな。
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