会話劇みたいなもの

本編

「アンタってホント一々腹立つ返しするわね……じゃあ質問を変えるわ。何読んでるの？」
「ヤングギターというギター雑誌だ」
「あら、意外ね。雑誌を読んでいることもだし、あんたのことだから音楽雑誌にしてもクラシックとかそっちだと思っていたのだけれど」
「前者は失礼極まりない発言だが、後者が半分正解だから流すとしよう。これはヘヴィメタル関連の雑誌だ」
「ヘヴィメタルとクラシックがなんで関係あるの？」
「ヘヴィメタルにクラシック要素を取り入れたミュージシャンは多数存在するからな」
「ふーん……」
「まぁヘヴィメタル雑誌ならBURNN!が有名だが、今月はこちらを優先した。好きなギタリストの特集が組まれていたものでな」
「へぇ……あんたギターやんの？そんなイメージなかったんだけど」
「やってなければこのような雑誌を読んでいる必要がなかろう。どこかの物好きなら知らんがな。そういうお前は何の用だったんだ？」
「あ、そうそう。借りた本返しに来たんだけど、図書委員いないのかしら」
「さぁな。呼び出してみたらどうだ？」
「あんた知らない？」
「俺が知るわけなかろう」
「ですよねー」
「わかってたんなら聞くな」