第一章

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「そう言えばさ、優里って、私の家に来たことないよね?」 「うん。」 「今日、くる?」 「あー、バイトやわー…」 「あらまぁ…」 美希はそう言って、難しい顔をしている。 急に、なんだろう。 私も考え込んでいると、美希が呟くように言い放った。 「蓮がくるんだけどなぁ…。」 … 「ええぇ!?」 しまった、あまりにもビックリして大声を出してしまった。 「優里うるさい…。」 「ご、ごめん。」 とりあえず、整理しよう。 今日、美希は私を家に来るよう誘った。でも私は、バイトで行けない。 そこまでは、いいんだ。 普通だし。 だが、ここからが、変なんだ。 「なんで宮園先生がくるの?」 「友達だから。」 それだけ…? 仮にも、美希と宮園先生は、生徒と先生の関係なんだよ? 「ダメだろ。」 「心配すんな、私たちの間には優里が想像しているようなものはないよ。」 「べ、べっつに想像なんてしてませんけどぉ!?」 そんなの、嘘。 いろんなこと考えた。 「んー、じゃあまた今度」 「いくっ!」 私が美希の言葉を遮って、勢いよくいったからか、美希がめったに見せない優しい笑顔を見せた。
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