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午後のホームルームが終わり、私は美希と一緒に教室をでた。
…緊張、するな。
プライベートで会うなんて初めてのことだから、色んなところに力がはいる。
おまけに、手は汗でびっしょりだ。
普段スーツの先生の私服姿を想像して思わずニヤケたり、でもなにを喋ろうか考えて、つまんないな.
とか、コイツと合わない.とか思われたらと思うと、どんどん顔が崩れていくのがわかる。
「あんた、忙しい子だね。1分間でどんだけ表情変えるんだよ。」
「そんな、変わってた?」
「うん。どれも変な顔だった。」
美希にそう言われ、私の頬が徐々に膨らんでいく。
「え、なに。あんた変顔大会にでも出るの?」
「…お前、1回死んだほうがいいよ。」
「死んだら悲しむくせに~。」
こいつ…
こうして口喧嘩を続けていると、いつの間にかさっきまでの不安が嘘のようになくなっていた。
なんか、敵わないな。
遠回しだけど、美希はいつもこうして然り気無く助けてくれる。
こいつ、男だったらよかったのに。
まあ、私は惚れないけどな。
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