第一章

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午後のホームルームが終わり、私は美希と一緒に教室をでた。 …緊張、するな。 プライベートで会うなんて初めてのことだから、色んなところに力がはいる。 おまけに、手は汗でびっしょりだ。 普段スーツの先生の私服姿を想像して思わずニヤケたり、でもなにを喋ろうか考えて、つまんないな. とか、コイツと合わない.とか思われたらと思うと、どんどん顔が崩れていくのがわかる。 「あんた、忙しい子だね。1分間でどんだけ表情変えるんだよ。」 「そんな、変わってた?」 「うん。どれも変な顔だった。」 美希にそう言われ、私の頬が徐々に膨らんでいく。 「え、なに。あんた変顔大会にでも出るの?」 「…お前、1回死んだほうがいいよ。」 「死んだら悲しむくせに~。」 こいつ… こうして口喧嘩を続けていると、いつの間にかさっきまでの不安が嘘のようになくなっていた。 なんか、敵わないな。 遠回しだけど、美希はいつもこうして然り気無く助けてくれる。 こいつ、男だったらよかったのに。 まあ、私は惚れないけどな。
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