0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
現在と過去。
未菜の手を取り、今の人生を生きています。
もし彼女がまだ、この世界に居たら。
きっと・・・僕が握っているこの手は、
彼女の手だったのかも知れない。
「坊ちゃま!写真個展開催のスピーチに遅れてしまいますよ!」
「未菜お嬢様も先ほどからお待ちしております」
「あぁ、ただ高校以来ネクタイ結んでなくて、中々・・・」
すると、
「あなたってば、もう貸しなさい」
キミが代わりに結んでくれた。
「もう、26歳なのにどうしてこれぐらい出来ないのよ」
「すまん、未菜が居ると、つい頼っちゃうな」
「はいはい、行こう」
キミはドアノブに手を掛け、僕に手を差し伸べした、
それはまるで彼女の様に・・・。
こんな事まで彼女を今の嫁に重ねる僕が、
嫌いだ。
最初のコメントを投稿しよう!