現在と過去。

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現在と過去。

未菜の手を取り、今の人生を生きています。 もし彼女がまだ、この世界に居たら。 きっと・・・僕が握っているこの手は、 彼女の手だったのかも知れない。 「坊ちゃま!写真個展開催のスピーチに遅れてしまいますよ!」 「未菜お嬢様も先ほどからお待ちしております」 「あぁ、ただ高校以来ネクタイ結んでなくて、中々・・・」 すると、 「あなたってば、もう貸しなさい」 キミが代わりに結んでくれた。 「もう、26歳なのにどうしてこれぐらい出来ないのよ」 「すまん、未菜が居ると、つい頼っちゃうな」 「はいはい、行こう」 キミはドアノブに手を掛け、僕に手を差し伸べした、 それはまるで彼女の様に・・・。 こんな事まで彼女を今の嫁に重ねる僕が、 嫌いだ。
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