船山 みのり

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あれから半年。 今日から、あたしは、黒川学園の養護教諭として、働くことになったのです。 ざわめく体育館の中、あたしは、600人の生徒を見下ろすステージのマイクスタンドの前に立っています。 柊どこかな… キョロキョロ探すわけにもいかず、あたしは、さらっと全校生徒を見渡し挨拶をした。 「今日から、この学園の養護教諭として、お世話になる船山みのりです。あたしのことは、好きなように呼んでください。体調が悪かったり怪我の時はもちろんですが、皆さんと年も近いし、悩みや相談があったら、いつでも保健室にきてくださいね!」 こんな感じで大丈夫かな… 緊張しながらステージから降り、新任が並ぶ列に戻る。 そういえば、新任の先生達も男ばっか。 「みのり先生かわいー」 「俺、毎日行こーかな」 そんな声が聞こえるなか、あたしは、特別な視線を感じそちらを振り返った。 「…しゅう?」 やっぱり柊だ。 柊の制服姿久しぶりに見たなぁ。 髪型もちゃんとしてるじゃん! にしても…胸元開けすぎじゃない?! 家に居る時の、部屋着にねぐせの柊もいいけど、制服姿の柊も可愛すぎる… 思わず、照れ隠しに、笑ってちっちゃくピースサインをした。
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