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「母さんはお父さんのところに行ってくるから。心配しないで必ず戻ってくるから…」
そして母上は俺の頭を撫でてから上へあがる階段に向かった。
その時に瞳から流れ落ちる涙から分かるようにもう戻れないということは分かっていたのだろう。
それから俺は寝てしまっていた。どれだけ時がたったのだろう。
上の方からは物音ひとつしない
悲鳴も聞こえない。そうだ母上が音がしなくなったら出てこいって言っていたよね。
カイトは地下室から上へ上がる階段を昇る。
「…ねぇ、なんでみんな寝てるの?」
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