第一話 決意の先

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イーク「知ってるものだとばかり」 クワァン「なんで痙攣なんかしてんだよ」 イーク(僕の記憶ではあなたのせいです) クワァン「もぉやだよ~、あたしが怒られるじゃんか」 イーク「今から出て迎えに行けば」 クワァン「さっきの放送だともう発進シークェンスの前準備までいってる、もう積込用のハッチだって閉まってるわよ」 イーク「ムルトくん…」 クワァン「あの馬鹿はホント…」 室内放送 ムルト「馬鹿はあんたの方だし」 クワァン「誰が!!!って…ムルト?」 ムルト「他に誰がいるし」 イーク「ムルトくんどこ!?」 ムルト「バーチェラスん中、待機部屋よりこっちのが落ち着くし」 クワァン「よかったよかったこれで怒られないで済む」 イーク「じゃあ僕達も行くよ、早めに調整しとかなきゃ」 ムルト「もう終わってるし」 クワァン「私達のも?」 ムルト「うん、積込の前から大方終わってたし、スペコンで全身の駆動部の圧力調整するだけだったし」 ※スペコン…スペックコンピューターの略、機体に接続するとその機体の基本スペックとダメージチェック、各部分の稼働状況がわかる イーク「さすがムルトくんだね、仕事が早いや」 クワァン「あぁでも私は重い方が慣れてるから圧強めとかないと」 ムルト「やってる、イークのはちょっと軽めにしてある」 クワァン「1.24?」 ムルト「うん、イークのは0.87、関節の方も全部調整済み」 イーク「覚えてるんだ、すごいなぁ」 クワァン「まぁなら大丈夫だな、ムルト一回こっち来な」 ムルト「そこ臭いからヤダ」 クワァン「村田屋の火事場カレーパンあるぞ」 ムルト「…行く」
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