第一話 決意の先

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ヒメユリ 司令官室 カフス「司令、もうすぐ」 リュウゾウ「わかっている、今日がどういう日になるか…だな」 司令官室をノックする者がいた。 リュウゾウ「入れ」 サエコ「失礼します、サエコ・コンドウ少佐であります、今回は司令に通達する事があって参りました」 リュウゾウ「四聖班の代表が私に何の用かな?」 サエコ「今回の任務について四聖班班長達から疑問があります、その事については司令もご存知ですね?」 リュウゾウ「何故OOEの殲滅では無く偵察だけなのか…だな」 サエコ「司令に何か考えがあると思っています、その事について説明を明かさない点で様々な疑惑が飛び交っています」 リュウゾウ「SAの事で既に私にはありもしない疑惑が掛けられている、その事については気にしていない、だがわざわざ来てもらっていて何も知らせない訳にはいかんな」 サエコ「では?」 リュウゾウ「あそこにはSAでもOOEでも無い機動兵器が確認されている、それは民間によって作られた物だ」 サエコ「民間の兵器でOOEの殲滅を行わせる気ですか?」 リュウゾウ「まぁそんな所だ、その機動兵器のデータを取る為偵察に向かわせている、そしてOOEに破壊された場合は向かわせたSAにてOOEの殲滅をさせる」 サエコ「運良く事が進めばこちらの被害は軽微なものとなる、それについては理解できます、しかし民間人の乗った機体に戦闘をさせるわけには」 リュウゾウ「心配はいらんさ、撃墜される前にSAで救援する」 サエコ「危険に晒すわけには、その為のSAでしょう?それに戦艦まで出撃など」 リュウゾウ「その意味についてはもう少しすれば分かるさ」 サエコ(やはり何かあるようだな、司令は民間人の安否を気にしている様子はない、機動兵器へのイタズラな興味か…それとも何か知っているのか、どちらにしろこちらでも探りを入れておくか) サエコは携帯を取り出した。 リュウゾウ「気が済むまで調べてもらって構わんよ」 サエコ「そのつもりです」
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