1人が本棚に入れています
本棚に追加
プロテクト・ベース
リュウイチ「なんとか戻れた」
サイゾウ「リュウイチ、少し頭を冷やせ」
リュウイチ「……うん、でも町のみんなが……」
サイゾウ「ここ以外にも秘密裏に作製したシェルターがある、避難した町の住民はすべて収容された、安心しろ」
リュウイチ「なら良かった、部屋に居るよ」
リュウイチはおぼつかない足取りでプロテクト・ベース内の自室へ向かった。
ホムラ「リュウイチ君だって自分で望んであぁしたんじゃないんです、いつも何かスイッチが入って」
サイゾウ「分かっておる、じゃが今はリュウイチにも自分を見つめ、考える時間が必要じゃ」
レイコ「お父さんとお母さん大丈夫?」
レイコは目に涙を湛えてサイゾウに問う。
サイゾウ「あぁ、菊川のプロトMシェルターへ避難しているようじゃ、レイコに心配するなと伝えてくれと連絡があった」
レイコ「良かった」
ホムラ「チヒロさんは?」
サイゾウ「無事じゃ、どこに避難したかは分からんが生存は確認している」
ホムラ「そうですか」
プロテクト・ベース リュウイチ自室
リュウイチ「結局壊すしか出来ないのかな、ロボットを動かせて、何か自分にもこの世界の為に出来ると思ったのに、結局……」
俯いているリュウイチに話し掛ける者が
「それは違いますよ」
リュウイチが顔を上げるとそこには緑の長髪の子供が居た。
アルティ「私はアルティです、宜しくお願いします」
聞き覚えのある声、リュウイチは思い出した。
リュウイチ「KEN-SEIの発進の時アナウンスしてた子?」
アルティ「そうです、身寄りが無かった私をサイゾウさんが引き取って下さって、それで今はお手伝いをしています」
リュウイチ「そうだったんだ、今まで全然知らなかった」
アルティ「一応私は色々と問題があり、プロテクト・ベースで住んでいるので安心です、それでサイゾウさんは外部に私の情報が漏れるのを危惧したんでしょう」
リュウイチ「じゃあ僕と会うのって大丈夫なの!?」
アルティ「大丈夫では無いです、実際サイゾウさんからは誰とも接触しないように言われてます」
リュウイチ「じゃあ何で…」
アルティ「それでも、塞ぎ込もうとしているあなたはとても危なく覚えたので」
アルティの表情はとても優しかった。
最初のコメントを投稿しよう!