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二人とも訳の分からないまましばらく呆然としていた。
少しして、奈央が口を開いた――
「とりあえず、学校いこ?遅刻しちゃうといけないし…」
「ああ、そうだな」
俺が返事をすると、奈央は部屋に戻っていった。
「さて、飯でも作るか。」
こう見えて料理の腕には自信がある、両親はほとんど家にいない、だから俺が代わりに料理を作るようになった。
少し前の話だが、奈央が突然「ハンバーグを作りたい!!」なんて言い出して来るから、少しくらい失敗しても食べてやろうと思っていると、何やら黒い炭のような物が出来上がった…あの時は――
「物体Xで悪かったな!!」
「だからまだ言ってねぇよ!!」
「私も努力したんだよ!けどね、世の中には努力しても叶わない事だってあるんだよ…」
「お、落ち着け!!お前はまだ料理以外の才能があるんだし、てかちょくちょく俺の心読んでるよな!?」
「兄ちゃん、それは才能じゃなくて兄ちゃんの顔がそんな顔になってるんだよ。」
「それだけで立派な才能だよ…」
「まぁまぁ、早くご飯食べよ?」
色々言いたいことがあるがまぁ遅刻してしまう訳にもいかないから仕方ない、食べるとするか。
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