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「で、何でこんな離れた駐車場に車を?」
「バカ…目的地に突っ込んだら、せっかく夕登が守った食糧とガソリンがおじゃんになる可能性があるだろ。
ゾンビになった自衛隊の連中とまともにやり合う事になるんだから、念の為だ」
「それぐらい…私たちなら楽勝じゃない…。
アルムガンでなければ、どんな銃だって玩具よ…玩具」
「由理さん、あんまり余裕を見せつけるのはどうかと…。
さすがにロケットランチャーとか威力の高い機銃だと、青あざ程度で済まないと思いますよ?」
「あー…そればボクも同意見…。
無敵の身体持ってるんじゃないんだし、あんまり軽視しない方が…」
「私なら、テレポートで全部避けちゃいますけどね…。余裕余裕」
「つーか、ゾンビに武器使う頭はないだろ。
せいぜい持ってる銃乱射して走ってくるぐらいじゃないの?」
これから自衛隊のゾンビが大量にいるであろう場所へ行くというのに、6人は至って普通の顔で車を降り、固まった身体を伸ばしていた。
上から見下ろす渋谷サンライトの周辺には、迷彩服姿のゾンビが至る所に見受けられた。
遠くからで見えにくいが、武器らしき物を手に持ったままフラフラと歩いている者が多い。
「で、いつ攻める?」
「ボクは夕登君と朱里ちゃんが来てからでいいと思うけど、どうします?」
「……夕登と小日向には、ゾンビがいない快適な所に来てもらおうぜ…。
あの程度、皆で攻めればすぐに殲滅できる…」
「つまり……今すぐに攻撃するの?」
「あぁ、そういう事…。誰か異論がある者は?」
凍弥の決定に手を上げて反対する者は、1人もいなかった。
それどころか、早紀が突然噴き出して笑いだしたのだ。
「え……?どうかした?」
「いや別に…!皆さん、人間の言うセリフとは思えませんね…!
あの凶悪なゾンビが相手なんですよ?怖くないんですか?」
早紀の言葉に皆が顔を見合わせて笑いだす。
6人の結論は、全員そろって"NO"だ。
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