第11章 兆し

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―――――――――― 「「ア゛ア゛ア゛ァ゛ァァ!!」」 渋谷サンライト……さまざまな施設が立ち並ぶ多くの人が集まる建造物の前には、多くの人ではなくゾンビが走り回っている。 その中には、迷彩服を着るゾンビが多く存在する。 そう……自衛隊だ。 ゾンビの掃討作戦に失敗した彼らは、殆どがゾンビとして生き返り、堂々と走ってくる凍弥、明日香、鏡花の3人に方向を上げて襲いかかっている。 「おーおー…手厚い歓迎じゃねーか…上等だ!」 「うわっ……間近で見るとホントに多いですねー…」 「1体1体相手するのはめんどくさいですね…。 凍弥さん、ガツンとでかいの入れちゃってくださいよ」 「分かってるよ!」 明日香の要望に凍弥はすぐに返事を返すと、冷気を爆発させ、辺り一帯のアスファルトを瞬時に凍らせた。 自身の周囲のみが天然のスケートリンクに変貌し、先頭を陣取っていた自衛隊の男が足を滑られて転倒。 後続を走っていた者たちもなだれ込むように倒れ、ドミノ倒しの如くゾンビの大群は一気にバランスを崩した。 「単細胞のバカが…」 そう毒づくなり、凍弥は無数の氷の礫を生成。 すぐさまそれを放ち、倒れたゾンビたちを次々と全身穴だらけにした。 更におまけとばかりに、氷の礫がめり込んだゾンビに向かって手を向け、軽く握った。 すると異様な音と共に、自衛隊のゾンビたちが爆発と同時に吹き飛んだ。 凍弥は追撃とばかりに視界を埋め尽くす程の氷の礫を生成。 間隔をあけず、四方八方に撃ち放った。 辺りを囲んでいた無数の自衛隊は穴だらけになり、撃ち抜かれた箇所から凍りついていく。 悲鳴にも聞こえる呻き声と共に動きが鈍くなり、ゾンビの大群は一気に壊滅状態に陥った。
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