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「そ、そうだけど……」
「こいつは俺たちを舐め切っている。何か強い罰でも与えてやらないと覚えないみたいだな」
父は林檎の胸ぐらを掴んで持ち上げたまま踵を返した。
「いやあぁぁ!!助けて!恐いよセイド!!いやあぁぁ!!」
「林檎!!」
父の大きな背中の横から、たくさんの涙をこぼす林檎の顔が見えた。
手をこちらに向けて助けを求めている。
ーーだけど、僕は何もできなかった。
父が言うことは間違ってはいない。絶対に正しい。
そうだ、林檎が調子に乗っていたんだ。
いつも僕に命令ばっかして……悪いのは林檎なんだ。
いいクスリだ。これに懲りて林檎も大人しくなるだろう。
ーーそうだろ?違う?
じゃあなんでこんなに罪悪感を感じているんだよ。
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