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「起きなさい、杏里ー!」
「はぁーい。」
起床した彼女の名前は野々瀬杏里。
割と元気な17歳、今時とは少し違う女子高生(二年生)。
「貴女、またアンティーク買ったわね?」
「お母さん、アンティークぐらい良いじゃない。
私の趣味だもん。」
「もうっ、程々にしなさいよ?」
「分かってる!」
上記で少し違うとあるが、理由はこれだ。
杏里の趣味がアンティーク集めなのだから。
「お母さん、行ってきます!」
「行ってらっしゃい、気をつけるのよ?」
「それも分かってる!」
しかし、この会話が最後になるなんて誰が思っただろう。
***
学校で席に着くと、すぐに親友がやって来た。
「おっは、杏里!」
「おはよう、結菜……。」
「朝から疲れきってるわね………。」
杏里の相談役で親友の園田結菜。
幼稚園からの幼なじみ+腐れ縁だ。
「実は朝からお母さんにアンティークで色々言われちゃってさ……。」
「まあ、普通の女子高生としてはおかしい趣味だもん。」
「う………。」
グサリと台詞の矢が杏里に突き刺さる。
しかし結菜はお構い無しだった。
「それより、今日もアンティークショップ寄るの?」
「勿論!
私のお金はアンティークの為にあるの!」
「うん、ごめん。
聞いた私が馬鹿だったわ。」
結菜は苦笑しながら杏里に言った。
「結菜もアンティークの良さが分からないなんて、勿体ないなぁ。」
杏里は溜め息を零しながら、澄み渡る青空を見つめていた。
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