0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほんまクールやなぁ。
オイラ達の声に導かれた筈なんやから認めたってええがな。」
「煩いですよ、エレキア。」
つーん、と冷たい対応をする精霊。
エレキアは涙目だ。
「うああーっ、アイツ虐めてきよる!」
「泣くなよ、エレキア。
お前……それでも男か?」
「仕方ありません、彼は人一倍王国に尽くしていますから。」
フレイムとナチュラーが宥めるおかげで、エレキアの涙は止まった。
「王国?」
「ああ、俺達の住む王国だぜ。
……………………名前、何だっけ?」
「うん、ごめんね。
まだ私だけ自己紹介していなかったよ。」
当たり前の反応をフレイムにされてしまったので、杏里は反応に困った。
その事態に思わず苦笑する。
「私は杏里、野々瀬杏里だよ。」
「世界を救う姫君……杏里、かぁ。」
エレキアは何回か頷きながら、杏里を見ている。
「本題に移りたいのは山々ですが…私達精霊が一人でも名乗らない限り話が出来ないのです。」
「とっとと認めちまえよー!」
「暑苦しいです、近寄らないで頂きたい。」
「そう言わないで下さいな。
貴方も薄々は認めているのでは?」
ナチュラーは精霊の瞳を探るように見つめる。
「………フレイム、エレキア、ナチュラー。
貴方がたは少し喋らないで下さいますか?」
「わあったよ!」
「了解や!」
「承知いたしました。」
フレイム達が静かになるのを見て、精霊は口を開いた。
「僕達が間接的に言えるのは世界を救ってほしいとの言葉のみ
もしも、道の先に死があるとすろば、どうします?」
試すような質問に、杏里は挑発的に口許に笑みを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!