プロローグ

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夜空に広がる数多の星は、満月に負けじと強い光を放っている。その夜空と光が川に映りこみ、水面が輝いている。 雪が被さっている桃色の花々と、新緑の草原は雪の絨毯となっている。 冬と春。二つの季節を持つ変わったこの雪山に、一日に訪れる観光客は五十人ほど。 山の麓であるこの地は、夜が一番美しいとされており、昼と夜に訪れる客は変わらない。危険な魔獣も生息しておらず、極めて安全な場所だ。 その観光スポットが、惨殺された人間の死骸が点在する血の絨毯に変わっていた。純白の雪を黒い血が侵している。 山の頂に近づいていくほど死骸の数は増えていく。もはや、観光する場所ではなく、死体置き場となっていた。
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