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『へっ……へへっ……死んじまった。俺……死んじまったぁ――』
そこそこ年齢を重ね、仕事場では中堅どころを担う位の年齢の男は、自身の傷ましい遺体を横に、涙を自然と流しながら譫言(うわごと)の様に、独り言を呟いている。
『……そんな。私、死んじゃったの?イヤだ……まだ死にたくないのに――』
まだ若いその女性は、自身の血だらけの遺体を直視出来ず、両の手で顔を覆い、受け入れられない現実に、ただただ涙する事しか出来ていなかった。
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