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学校の図書室にある学年別の本の貸し出しカードにはいつも、[大崎佐奈]と[原光希]の名前が並んでいた。
小さい頃からいつも一緒で、小学校に入ると二人で良く図書室を出入りしていたし、借りた本をどちらかの家で読んだりもしていた。
本が好きなのはもちろんだが、佐奈は光希との時間が好きだったのだ…。
それは中学に入ってからも変わらなかった。
けれどある日、佐奈は気付いた…
光希の本を持つ手が大きくなっている事…
座っている姿を後ろから見れば、あの頃とは明らかに成長している男の子の背中…
そう言えば、昔から佐奈は光希の身長を越えた事がなかったから違和感は無かったけれど、他の男の子たちより身長が高い気がする…
「ん?…佐奈?」
顔もやっぱり男の子…
なんて、それは毎日見ているから違いは解らない…
「…何でもない」
二人で過ごす時間、図書室…それが佐奈にとって一番大切なもので、いつまでも続くと思っていた…。
そう、中学を卒業するまでは…
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