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卒業式を控えた一ヶ月前の朝。
「佐奈ー」
教室に向かう途中の廊下で、光希に呼び止められた。
「…おはよ」
「おはよ。さっき本返却したから!」
「じゃあ、お昼休みに行くね。何を借りてたっけ?」
「あぁ~…内緒だ!」
いつもの様に屈託のない笑顔の光希。
「なんで?」
「なんでもだ!佐奈なら分かるだろ?じゃあな!」
分からないから聞いたのに…。
そう思いながら、走り去る光希の背中を見つめ、佐奈は教室に向かった。
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