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「違います!」
少し呆れた様に紙袋を取り上げられた。
「それじゃあ私がお菓子に釣られたみたいじゃない!」
「…違うの?」
「………怒るよ」
「ごめんなさい…。で、ボタンって第二ボタン?」
「いや…これ」
そう言ってしぃちゃんが指したのは第一ボタン…。
「………ん?」
「…私も疑問だったよ。で、理由を聞いたら、あれって三年間の想いが心に詰まっているから、その心を心臓に置き換えて、心臓に一番近い学ランの第二ボタンなんだって」
「それで、ブレザーだから第一ボタンなの?」
「みたい…」
しかし、それはつまり…
「………しぃちゃん、美人だからねぇ~」
「…やっぱりそう言う事になるか………」
きっと、彼女はしぃちゃんに惹かれていたのだろう。
異性や同性問わず、それだけの魅力がしぃちゃんには備わっている。
それに気付いた人が居るだけで、佐奈は友達として何故か安心した。
「…やっぱり断るか」
左手に持つ紙袋を見つめてしぃちゃんは言った。
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