図書室ストーリー ~佐奈&光希~

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お昼休み。 予想通りしぃちゃんの机にはさっきのお菓子があり、一緒に食事した後、佐奈も頂いた。 「………何か悪いなぁ」 しぃちゃんは空いたカップを見つめながら、複雑そうな顔をしている。 「………美味しくなかった?」 「…美味しかった……」 「なら、それがあの子の求めていた気持ちなんじゃない?このカップケーキはしぃちゃんにそう言って貰いたくて作った物だと思うよ」 そのお菓子を分けてもらった佐奈の方が申し訳ない気持ちだ…。 「………そうなのか?」 「多分ね…。だから、後でちゃんと感想を言ってあげなきゃ」 「…うん。わかった……」 相手を想い、その気持ちに答えてあげられないからこそ切なくなる…。 そんな優しさを持つしぃちゃんだから、彼女はきっと笑顔でいられるだろう…。
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