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「オピス!」 アムはその白蛇に手をのばし、そして勢いよく抱きついた。 あの円は、精霊をみえるようにする為のものなのだろう。 「じゃあ始めようか。まず、これを口に含んで……」 俺はそこで見るのをやめた。 今更ながら、この儀式を見てはいけないような気分になったのと……白蛇の紅い目が俺を見ている気がしたから。 蛇の感情なんて読めないが、危険な気がした。 その勘が正しかったのは後々判明するのだが、それは置いといて。 「あとどれ位あるんだ?」 ずっと喋り続けるテオドールを遮って聞く。 あの後もいくつか店をまわったが、どれも魔法関連で、俺が興味をひかれるものはなかったのだ。 覗き見をやめて暇潰しができなくなったのだから、これ以上付き合うのは苦痛だ。 もしそうなら、今からでも別行動しようと思って聞いたのだが、テオドールは首を振った。 「お金ないからもう終わり。もう戻っても平気かな?」 「……平気じゃないか?」 あの様子からしてここから帰るまでには終わっていると思う。 駄目だったら家に入れないだけだし。 多くの店に寄った割には少ない荷物のテオドールはウキウキとそれらを振りながら帰路についた。
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