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時が経つのは早いもので……とか言うとじじくさい気がするが、前世と合わせれば言っても良い年齢だと思う。
というわけで、改めて。
時が経つのは早いもので、特に何かあった記憶もないのにいつの間にか俺は13歳になっていた。
新学年の初日。
酷く憂鬱な気分だ。
それはもう、行きたくなさすぎてテオドールに引きずられているくらいには。
勿論、摩擦がおきないように体は若干浮かせている。
中々に便利だが服が伸びてしまうのが難点。
……行きたくないとはいえ行かなくちゃいけないからな。
これで妥協する。
「なんでそんなに渋るのさ。クラス替えくらい去年も一昨年もやったのに」
「嫌に決まっている。なぜ俺が貴族のいるクラスに行かなきゃならない?
しっかり断ったはずだ」
そう。今年のクラス替えは成績で大幅に変更されたのだ。
結果、俺は貴族の方に行くことに。ちゃんと力を抜いて適当に授業受けてたのにだ。
こういうのは喜ぶ奴らだけにしとけばいいものを。
強制ってどういうことだ。
「……僕としては羨ましいけれど。アムもいるんだからいいじゃないか」
そう言うテオドールは平民の1番上のクラスだ。
「じゃあ代わろうか?」
半ば本気で聞くと、テオドールはいつも通り大袈裟に否定した。
首を振って、両手首を振って、「いやいや……」を連呼。
おかげで俺は地面に寝そべることとなった。
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