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正直この態勢にも疲れてきていたので、何も言わず立ち上がる。
汚れてないはずなのに服をはたいてしまうのは気分の問題だ。
「冗談だ」
つらつらと代われない理由を述べているテオドールの肩をたたいて言うと、ほっとしたような、残念なような複雑な表情を浮かべた。
「フェッセルはとんでもないことを平気でやるから今回も本気かと思ったよ」
「半分本気だったからな。あながち間違いでもない」
「……ほら!やっぱり。本当に気をつけなね?貴族様に対して問題なんか起こしたら大変なんだから」
「そうだな」
「絶対気をつけるつもりないよね!まったく……アムも奔放なところあるし。
……僕が不安になってきた」
「あんまり考えすぎるとはげるぞ」
「あーもうっ!元凶がそれを言うな!」
そんなやりとりをしている内に、校舎の前に辿り着く。
「じゃあ、本当に気をつけてね!」
何度も何度も念押ししてテオドールは校舎の中へと消えた。
貴族の校舎はもう少し先だ。
俗に言う平民領では魔法全般を使うことが禁止されているが、貴族領では攻撃的なものでなければ特に規制はない。
その境界は、平民の校舎から100メートルくらい先で本来はもう少し歩かなければならなかったが、幸いなことに近くに人が見当たらなかったので、魔法で移動することにした。
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