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「……そりゃあ覚えてるさ。大事な弟だからね」 「大事っ!?ルーカスお前何を」 「イーサンは少し黙ってて」 「弟の“ように”かわいがって貰ったのはよく覚えている。別れたのが昔すぎて曖昧な記憶も多いが」 こんな注目の集まってる時に勘当された人間を弟呼ばわりするのはわざとか? だとしたら相当性格ねじ曲がってる。 「……そう。今はもう時間がないから後でまた話を聞かせてよ。 僕たちと別れたあとのこととかさ。 それじゃあ教室に戻るから。またね」 不服そうなイーサンを引きずってルーカスはやっといなくなった。 しかしまぁ……耳が早いというか。 存在すら忘れていた兄弟がここにいることはおかしいことではないのだが。 向こうがわざわざ出向くまで俺のことを気にしていたのを考えると申し訳なくすら思えてくるから不思議だ。 だが、あいつらのせいで厄介事が増えるに違いないし、そんな感情はすぐに消えるだろう。 今だって、必要以上に視線集まっている。 やっぱりテオドールに無理やりにでも代わって貰うんだった。 後悔しながら蹴られた机を戻し。 隣からの無言の圧力を解消するためにそちら……アムの方へと体を向けた。
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