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「うん、部屋の人全員でなら行っていいって。……どう?」 「……そうだな。俺はいいぞ」 「ありがとうっ!フェッセル!」 魔法云々で断った罪悪感もある。 パッと顔を輝かせたテオドールは残り2人を見つめた。 「町なら……」 「行ってくれるのっ?」 「まぁ」 気圧されたように仰け反りながらボサボサ。 「俺ぁ行かねぇから」 テオドールを振りほどいて出て行こうとする目付きの悪い奴。 ここまで来て断らせるわけには行くかとほんの少し威圧すると、弾かれたようにこっちを見た。 そして、獣のような笑みを浮かべると。 「いいぜ?行ってやるよ」 「あ、ありがとう」 そいつの視線は部屋から出るその時まで俺から外れることはなかった。 回想して、しみじみ思う。 なんで俺はあんな挑発紛いなことをしたのかと。 別に行けないなら行けないで良かったじゃないか。いつでも抜け出せるし。 その場のノリって、怖い。 まぁ、やってしまったことは仕方ない。町で小さな店を始めたというシエラとルクスを冷やかしに行こう。 それにしても、ボサボサまで行くことを肯定するとは…… いつもの如く、考え事をしているうち襲いかかって来た睡魔に抗うことなく俺は眠りについた。
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