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「それは確実に泊まれるんだよな?」 「ああ」 連絡は、テオドールが宿で交渉している間にすでに取っている。 魔法で。 「嘘だったらタダじゃおかねぇぞ」 「勝手にしろ」 以前に来たことあるから道はわかる。 目的地に近づいて来た時、テオドールが恐る恐るといった体で、言った。 「本当にこっちなの?こっちって……」 最後はもごもごと声にはなってなかったが、その気持ちは俺にもわかる。 どう考えてもこっちってスラムの方だからな。子どもが歩くには危険過ぎるし、絶対に近づきたくない。 シエラだって、こういう所は苦手だと思うし、ルクスの案だとは思うが、詳しいことは知らない。 結局、スラム街まで行くことはなかったが、限りなくそこに近い、治安の悪い場所に2人の店は存在していた。 「ここだ」 手で示したのは小さな木造の家。店はもう閉まっていて、分厚そうな木が固く戸を閉ざしている。 ルクスに着いたことを連絡しようとした時、嫌な音と共に扉がこじ開けられた。 「……おい。何、やってんだ?」 「は?入ろうとしただけだろうが」 「だ、だめだよローグ!他人の家に無断で入っちゃ。泊めて貰うのに……」 「んなもん、来ない奴等が悪い」 ローグと言うらしい目つきの悪い奴は、俺を一瞥し、スタスタと中に入っていく。 テオドールは俺の顔を見ると、なぜか怯えた顔で後ずさり、勢いよく頭を下げて逃げるようにローグの後を追った。
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