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それでも黙ってついていくこいつらは、何も考えてないのか。肝っ玉がすわっているのか。 ギシギシと音の鳴る、薄暗く狭い階段を登る列の最後尾につきながらそんなことを思った。 階段を登った先には、豪勢な食事が乗ったテーブル。 階段を登っている途中から、この食欲をそそる匂いはしていたわけで、正直すぐにでも食べ始めたい気分だったが、そういう訳にもいかず。 あっさりとフードを脱いだシエラと、いつもと変わらない格好のルクスを順番に手で示す。 「こっちから、シエラとルクス。2年前からこの店を経営している。そしてこっちがルームメイトで……」 流れ的に俺が紹介することになったわけだけど、そこで言葉がはたと止まった。 1人、名前がわからない。 1人だけわからないってのも不味いよな……と黙り込むこと数秒。 意外な声が聞こえてきた。 「…………ローグだ」 続いて背筋を伸ばして、気をつけの姿勢でテオドール。 「えと、テオドールです。フェッセルとはクラスもいっしょです!よろしくお願いします!」 ここで間が空く。 隣にいたテオドールが小突くと、残りの1人があの無愛想さが嘘のように、丁寧な挨拶を始めた。 「……あ、すみません。アムです。今日は突然なのにありがとうございます」
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