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翌日。 朝御飯を食べ終わってから。 昨日保留にしたアムの話の続きが始まった。 と言っても俺たち3人は、家から出されたのだが。 謝り倒されては仕方ない。 ……ま、家の外にいたって知る手段はいくらでもある。 左目に映る3人を注視しつつ、右目に映るテオドールを追って歩く。 ローグは家を出てすぐに貧民街の方へ歩いて行った。 左右で違うものを見ながら普通でいられる今世の自分の出来の良さには未だに慣れない。 ……いや。ある程度心が落ち着いてしまった今だからこそ、気持ち悪いと思うのか。 周りが見えない位、アイツのことで頭が一杯だったあの頃とは違い、俺はこっちで"生活"を始めてしまった。 理解者がいて、その上ですごす穏やかな生活は快適で。 目の前に相手がいないのに何年も復讐心を保ち続けることは俺には無理だったのだ。 厄介なことにそれで良いと思ってしまっている自分がいる。 あんな奴より優先できる人ができたのは喜ばしいことじゃないか。 一方で、発作的にあの頃を思い出す。 アイツが現れたら俺は暴走するかもしれない。 だから、気持ち悪いと思いつつ、貰った力は惜しみなく使うし、鍛錬もする。 ……顔だけはどうしようもないのだが。 鏡を見たとき、自分の人形じみた顔を掻き毟りたくなる。 平凡で今世とは比べ物にならない造作とはいえ、前世の顔が俺の顔だという認識はどうしても薄れない。
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